大山 陽介
徳島大学大学院社会産業理工学研究部 理工学域 数理科学系 数理解析分野
研究テーマ~古典解析学
パンルヴェ方程式と呼ばれる非線型の微分方程式について研究しています。 この方程式はPaul Painlevéが1900年頃に「動く分岐点を持たない非線型常微分方程式」を分類する中で発見された方程式です。
Painlevéやその弟子たちの研究の後、しばらく忘れ去られましたが、1970年頃からイジング模型への応用が見いだされるなど大きく発展して、現在では、微分方程式論の枠を越えて、代数幾何・表現論・微分幾何・確率論、そして様々な数理物理の問題と関係する大きな研究テーマになっています。
この分野は日本が長年得意としてきた分野でもあり、数多くの日本人がこれまでもまた現在も世界において中心的な立場で研究しています。
私は今現在、パンルヴェ方程式の漸近解析を主たる研究テーマにしています。非線型微分方程式の解が無限遠の近くでどんな挙動をするのか調べるのは一般には難しい問題で、線型の場合と違って基礎理論も十分でありません。そこでパンルヴェ方程式は漸近解析を調べるにはたいへん良い実験場になり、どういう理論を作れば良いのかという参考になると考えています。さらに差分パンルヴェ方程式の漸近解析へと発展させていきたいと考えています。
パンルヴェ方程式の研究にあたっては、100年前のPainlevé 本人の時代に立ち返って当時の問題意識を知ることが役に立ちます。 昔の人が考えていた問題は今でも難しいのですが、100年間の数学の発展を元にもう一度攻略すると解けることも多いのです。 その意味で私は自分の研究を「古典解析学」と呼んでいます。 古典の数学を歴史として見るのではなく、昔の数学をもう一度現代数学として蘇らせていきたいと思います。
ちなみにこのサイトのロゴに使っている写真はPaul Painlevéの講義風景、右の図はPainlevéの弟子だったR. Garnierの論文からとったものです。
